設立趣意

茶道具、および茶室は、使って初めてその本質を知ることができるものです。たとえば、美術館に陳列されている茶碗はショーケース越しに「見られる」対象ですが、その本来の在り方は、茶室という装置の中で、視覚のみならず五感すべてを駆使して対峙することにこそありました。美術という概念は明治以降に導入されましたが、日本において「美術」と「技術」は一体のものであり、それは禅に連なる「茶」という文化的文脈を背景として、独自の進化を遂げてきたと言っても過言ではありません。

千利休による「見立て」というクリエイティブな美意識は現代美術に匹敵する斬新さがあり、桃山期の茶碗における造形や意匠は近代美術の抽象を思わせる力強さを備えています。また利休型の茶道具は現代にも通用するデザイン性を誇ります。他方、古い茶道具における工芸的な技術の確かさと、用いられている素材の質の高さに関しては、現代ではもはや再現が困難であり、いわば失われた技術と言えるでしょう。このように高い価値を持つにもかかわらず、現在は視覚中心の現代アートが注目を集める傾向にあり、古い茶道具や茶室が活用されることなく、その本来の文脈から切り離されて存続している現状は看過できるものではありません。

当財団は、改めて日本の美意識と茶道具の本来の在り方を見つめ直し、「茶の美術」の美的価値を国内外に広く伝えることを目的として設立されました。具体的には、一級の茶道具に触れられる茶会や、茶の美術を新たな切り口で紹介する展覧会を国内外で開催し、海外のキュレーターや美術関係者との交流を促進します。これにより、国内の若手数寄者(茶人)やコレクターにとっての審美的指針と研鑽の場を提供するとともに、海外へのインターフェースとして、国際的理解と友好に貢献したいと考えています。また、茶室・庭園等の保存・修復への助成も行い、茶道具および茶室を「生きた形の文化財」として活用し、日本の優れた「茶の美術」の価値を継承する一助を担うことができれば幸甚に存じます。

令和7年11月

主な事業

  1. 1. 茶道具の収集、保存、調査及び活用に関する事業
  2. 2. 国内外における文化事業
    (茶会、展覧会、講演会等)の開催
  3. 3. 「茶の美術」に関する出版、記録及び広報活動
  4. 4. 海外キュレーター、美術関係者、
    作家等の交流促進事業
  5. 5. 茶室、庭園等の保存、修復、活用への助成

NEWS

  • 2026.4茶の美術振興財団ホームページを
    開設いたしました。

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